あなたの店の料理・食材に『売り』を持つべき5つの理由

飲食店経営者であるあなたは、今ご自分の商品(料理・飲み物)に『売り』を持っていらっしゃいますか?

こんにちは!ホスピタソンWEBライターの櫻子です。

『売り』?? 売っているけどすでに、、、

と思われるはずなのですが、ここで言う『売り』とは、他競合店や今までのご自分のやり方に足して、お客様が魅力的・食べてみたい・お店に行きたい、と切に思って下さるようなセールスポイントのことです。

それは、食材の産地であったり、新鮮さのアピールであったり、調理法の紹介であったりと色々とあるのですが、これが有るのと無いのでは、お客様が財布のひもをゆるめて、あなたのお店を選んで下さるかどうかに随分と差が出ます。

今では、飲食店激戦区などでは、軒並みイーゼルに乗った黒板に、この『売り』を表記しているお店や、本日のメニューなどを書き込んでいるお店も多くなりましたが、激戦区から離れたお店や、失礼ながら伸び悩んでおられるお店は、中々この『売り』を表に出すという勇気がないという経営者さんもいらっしゃるようです。

言葉にするのが難しい・・・

字が下手・・・

邪魔くさい・・等々

実行しない理由も様々有るのでしょうが、それが売り上げに反映されていったとしたらどうでしょうか?

もちろん、『売り』の表記だけではなく、お味・価格・ホスピタリティー・魅力度など色々なものが揃わないと売り上げは上がりませんが、もしもそういうものが同じような2店舗があれば、お客様は当然情報量が多く食指を動かされるようなお店を選んで下さいます。

これが『売り』の効果です。

では、今日は、その効果を紐解いてまいりましょう。

目次)

1、あなたがこだわりを持っている経営者・料理人とアピールできる
①産地のこだわり
②新鮮さのこだわり
③料理法のこだわり

2、お客様の食べたいという食欲にうったえられる
①見たら食べたいの心理にうったえる
②お客様の想像力を活性化させる

3、安心で安全である事がアピールできる
①安全なものであるアピールができる
②地産地消をうまく活用する

4、当たりの食材に巡りあえばうまく活用していける
①あなたの店のヒット商品を生み出す
②○○が食べたいならあなたのお店!というイメージ作り

5、こだわりの生産者同士の情報が得られる
①こだわりの生産者はこだわりの顧客を持つ
②こだわり生産者から新たなこだわり食材の情報を得る

おわりに・・・

1、あなたがこだわりを持っている経営者・料理人とアピールできる

①産地のこだわり

まずは最初に産地のこだわりです。代表的なところでは、○○港の水揚げの鰺とか、○○山系の放し飼い地鶏とか、京都上賀茂の野菜とかがそれに当たります。

特にこの産地でないといけない、というものでもありません。もちろんのこと、あなたが出店している立地やいつもの購入場所でなければ、交通費や送料も余分に掛かってしまう問題もクリアしなければなりません。

近くに使いたいようなブランドの食材もないかも知れません。とりあえずは情報収集して、どうしてもなければ、最低限「地鶏」「露地物野菜」とかちょっと抽象的になっても構いません。

○○地区で、ブランドではないけれど美味しいお野菜を作っている等の場合は、○○大根のふろふき、とか、**鶏のグリルガーリック風味という具合に、あなたがブランドを作ってしまえば良いのです。

ただしこの場合は、万が一にも同名で商標登録されている場合は気を付けて下さい。

要は、あなたが産地にこだわり、美味しい食材で美味しいお料理をお客様に提供したいと思っている料理人や経営者であるというこだわりをお客様に伝えられたら成功です。

毎日の普通の日替わりランチに鰺フライをあなたが出すとします。

「鰺のフライ定食」

「長崎五島灘の鰺のフライ定食」

提供される鰺のフライ定食の中身には変わりありませんが、お客様は2つを比較してどのように感じるでしょうか?

長崎県の五島灘は実際に鰺の産地で、魚に詳しいお客様なら、「お、いいもの使っているな!」と思うでしょうし、知らないお客様なら、「美味しい鰺なのかしら?食べてみたいな・・・」となるはずです。

②新鮮さのこだわり

新鮮さに関しては、難しくありません。朝採れの・本日水揚げ・朝引き(鶏肉)など、あなたなりの表現で新鮮さをアピールしましょう。

特殊な食材で熟成させた方が美味しいというものもあるにはありますが、日常の食生活であるならば、人は新鮮=安全=美味しい、と判断してくれます。

③料理法のこだわり

料理法に関しては、例えば昨年大きなトレンドになった熟成肉などもそうです。一定期間熟成させて出すものとか、これも一時のトレンド、米麹や塩麹を使って素材を柔らかくする料理法など。

単なるグリルなども、カリカリグリルやパリパリなグリルなど、カリカリやパリパリの美味しさの表現を付けるだけで、鶏肉などだったら、皮がカリカリなことがイメージできて食欲をそそります。

2、お客様の食べたいという食欲にうったえられる

①見たら食べたいの心理にうったえる

飲食業を経営しているあなたもそうでしょうが、おいしそうなお料理の画像を見たら、無条件で食べたくなりませんか? 筆者などはその典型で、テレビやネットで美味しそうと感じたものがあれば、行く事が可能なお店なら必ず行って食べてみます。

これは、飲食に関するアドバイザーのようなお仕事をしているので、仕事とも言えますが、そういうお仕事をしていない方でも、美味しそうなものを見たら“食べたい!”と思うのは健康な方なら当たり前のこと。

筆者などは典型的で、美味しそうな画像やグルメ番組を観ると、無条件で食べたくなる人種です。

もちろん飲食店の店先では、いつもあるグランドメニューなどはポスターなどでお客様に画像を見て頂くことが出来ますが、日替わりメニューなどは中々大変なのも事実です。

お店によると、実際に本日の日替わりを店先に出しているお店などもありますが、これとて時間が経てば、如何にも時間経っていますという状態になって、置かない方がましという場合もあります。

そんな事例もあるので、日替わりなどは特に難しい場合もあるのですが、「言葉」で書く場合は慣れてくればそう難しくもありません。

これこそ、あなたの『創造力』で、お客様の『想像力』をかき立てるのです。何しろ、お料理自体も『創造力』のたまもの。

お仕着せのお料理しか作れない料理人さんには限界があるでしょうが、自らのレシピを武器に、飲食業界で成功していきたい夢をお持ちのあなたに『創造力』が無い訳がありません。

②お客様の想像力を活性化させる

お客様が食べたくなる想像がむくむくわいてくるような、美味しそうな『想像できる売り』の言葉や表現を生み出して下さい。きっと筆者のような食いしん坊が一杯集まってきます。

ただしご注意なのは、ランチ時の表に掲げてあるメニュー版が、いくら頑張ったとはいえ、まるでフレンチのディナーのようにあまりにもくどすぎると嫌われてしまうリスクもあります。

特に男性客はめんどうくさがる方が多いかも知れません。

「朝一番空輸の長崎五島灘の鰺のフライ、福井産エシャロットと大山鶏の玉子のタルタルソース添え定食」

これ、もはやくどいです。

「長崎五島灘の鰺のフライ定食 自家製タルタル添え」

この辺りが、ランチタイムに書く限界だと思います。何でも書けばいい訳ではないのでご注意を。

3、安心で安全である事がアピールできる

①安全なものであるアピールができる

産地や新鮮さがアピール出来てお客様に分かって貰うことが出来たら、それはすなわち、あなたのお店のお料理は安心で安全であるというアピールにもなります。

原価の問題でどうしても一部外国産の安価なものを使う場合でも、大事な部分やメインなどに国産が入っているとお客様は安心度を高めて下さいます。

人間には、安心で安全なものを食すると、遺伝子レベルで美味しいと感じる事があるそうです。その代表選手が『おふくろの味』 母親は子供には怖いものを食べささないという感覚が遺伝子の中に入っているので、おふくろの味=家飯が美味しく感じる事ができるのです。

ですから、どなたが調理するにせよ、母親が出すような安心・安全と感じてもらえるお料理をお客様に提供できたら、それはすなわち、美味しいと感じて頂けることに通じます。

②地産地消をうまく活用する。

あなたがどこにお店をだしておられようと、これから出そうとされていようと、探せば必ずあなたに合った美味しい食材を見つけることが出来ます。

日本は緑豊かな美しい島国です。食糧自給率は外国に頼っている部分も大きくあるのは否めませんが、あなたがお商売でお料理を提供されるなら、全てとは言いませんが、美味しい国産の、できれば『地産地消』の食材を探したいものです。

無ければ、あなたがブランド化するくらいのことでも構わないと思います。生産者の農家さんや畜産業者さん漁師さんと仲良くなり、「○○さんの何々」と銘打つ事も可能なのです。

地産地消はある意味お国自慢です。あなたの飲食業だけではなく、生産者や採取者も一緒に大きく成長していくことが、あなたの飲食業の未来にも跳ね返ってくるでしょう。

地産地消からスターを生み出す。その様な心意気であなたの周りの食材を再点検されることをおすすめします。

4、『当たり』の食材に巡りあえばうまく活用していける

①あなたの店のヒット商品を生み出す

地産地消もおすすめですが、あなたがターゲットにする食材は日本中にあります。

例えば今飲食界で1つのトレンドなのが、地方の回転寿司屋さんがどんどん東京都内とか大都会に店舗を新規開店しているというトレンドです。

ネタはもちろん空輸です。金沢・伊豆・北海道等々、名だたる魚介の宝庫の地方から空輸にお金を掛けてでも利益が上がるのでどんどん新規開店されていくのでしょう。

空輸の金額も、大量に消費されるお寿司の一貫ずつに加算していけば、そうもの凄く価格が上がってしまう訳でもないでしょう。

お客様は、ほんの少し現地で食べるより高くても、現地そのままの新鮮さと美味が味わえるなら、喜んでお財布のひもも緩めてくれるのでしょう。

このように、食材のターゲットは日本中、安全で美味しいものでコストが合えば世界中と言っても過言ではないのです。

言わば、美味しいものをお客様に提供したい、喜んで貰いたい、そしてその先は、飲食業で大成功を収めたいという夢に食材のスター捜しは繋がっていくのです。

そして、その美味しい食材を使って、ヒット商品を生み出す。これこそが飲食業で成功する醍醐味かも知れません。

②○○が食べたいならあなたのお店!というイメージ作り

ヒット商品が生まれると、○○が食べたいときは、どこどこのものと、お客様の中で定番になってきます。

これは、飲食業をやっているあなたでも、ラーメンなら○○、うなぎなら△△、イタリアンなら**と、美味しいお店の美味しいお料理に巡り会えたら、言葉は悪いですが、

「アホの一つ覚え」のように通ってしまわないでしょうか?

それはもちろん経営する側としたら、お味の安定供給や新規商品がないことの不安や昔との価格の違いとか問題が多い部分もあるにはありますが、経営母体からすれば、本当にありがたい存在であるには違いありません。

昔から「老舗」と言われ、長くお客様に愛されているお店は、飲食店ももちろんのこと、どんな業種でも何かヒット商品を持っている場合が大変多いですね。

その商品が何代にも渡って永く愛されている事も良くあることです。そのヒット商品を生み出すには長い間の商品開発や研究、失敗なども含めて、一朝一夕一には出来ないものです。

しかしこの競争相手の多い過激な飲食業界で生き残っていくには、必ずヒット商品を作り上げて見せる!位の気迫がないとダメなのかも知れません。

そして様々な苦労を乗り越え、たゆまぬ努力でヒット商品を作り上げて来たお店こそが今日も生き残っているのです。

5、こだわりの生産者同士の情報が得られる

①こだわりの生産者はこだわりの顧客を持つ

あなたが自分のお料理のための食材にこだわりのものを見つけ、こだわりの生産者とも仲良くなり、そのお料理がヒット商品になりつつあるとき、あなたはもう1つの事に気付くかも知れません。

例えば農業でいえば、無農薬や有機農法を初めとした、それなりにこだわった農家さんの場合は、流通ルートなどにおいても、ネットで直接販売をしたり、こだわりの飲食店さんと定期的な取引をしておられる場合も多いです。

農業だけではなく、漁業、畜産業、養鶏業等々、昨今はこだわりと個性化に特化しておられる所が多いです。

そして、そのこだわりの食材を求め、少々高い定価でも買ってくれるこだわりのお客様がいらっしゃるのです。

そしてこの流通網が日本列島を網羅している時代では、遠く離れた場所の物でも、翌日か遅くても2日目には大抵の物があなたの手元に届く時代です。これをあなたの店の料理に活用しない手はありません。後は掛かるコスト次第です。

もちろん、近くの食材でそれができればもっと有効ですね。まだブランド化されていない食材からスター食材を見つけ出し、あなたのお店のヒット商品に繋げていく。夢のあるお話しだと思います。

逆に言うと、そのような事に手間をかけるのが面倒とか、もっと簡単に飲食業で儲かる方法は無いのかと考えるあなたがいるとすれば、飲食業は向いていないのかも知れません。

今、世間で売れている、繁盛していると言われる和・洋・中を問わない分野の料理人さんやパティシエさんとかは、このように「こだわりの食材」を武器として持っておられる方が沢山いらっしゃいます。

中には高じて、ご自分が生産しないと気が済まなくなったという事で、自ら農地やビニールハウスで育てている方もいらっしゃれば、漁港や畜産地、養鶏場を定期的に訪ねている料理人さんたちも沢山おられます。

これこそが、こだわりの生産者はこだわりの顧客をもつゆえんです。

②こだわり生産者から新たなこだわり食材の情報を得る

これは、1人のこだわりの生産者さんの見えない向こう側には、もっと沢山のこだわりの食材が隠れてあなたを待っているということです。

料理というものは1種類の素材から成り立っているわけではありません。直接固形物として口に入るものから、調味料やスープ・出汁の1部として固形物とは感じられないものまで。

それこそカウントしだしたら、物凄く沢山の素材が絡み合って1つのお料理が成り立っています。それで、1品。

これが、コース料理や懐石などになれば、どの位沢山の食材が使われているかは、飲食業のあなたなら理解できるはずです。

そして、その全ての食材や調味料には必ずこだわって生産している方たちがいるのです。食材の数×こだわりの職人さん、という図式になるのかも知れません。この一見膨大な数の頑固な職人さんとも言える方たちが、今度はあなたの情報局になってくれるはずです。

前4、①でお伝えしたように、こだわりの生産者・職人さんは必ずこだわりの顧客を持ち、そこから何種類ものお料理を生み出していく。

言い換えればものすごい数の優秀な数の食材が集まって、名店などの料理を作り上げているわけです。そして、必ずそういうお店にはこういう別のいい商品が入っているよとか、○○のお店に行けば、こういういいモノが食べられるよという情報をお持ちなのです。

又、そういう料理人さんや生産者・採取者さんたちの感性も、良いものをお客様に提供したいとか、お客様を喜ばせたいという方々なので、共感しあえることも多いはずです。

それは、ご自分のヒット商品のレシピなどを教えなさいなどというお話ではありません。そういうことは、いい素材を手元に持って各々が開発されるものです。

あくまでも良い食材や美味しいお店の情報交換です。筆者が時々耳にするのは、若手の分野の全く違う料理人さんやパティシエさんとかが、定期的に集まって、料理のおいしいお店や新店舗、美味しい素材の情報交換をしているのを聞きます。

そして、その素材が自分には有効とか必要と思ったら、どんなに遠くともまずは自分の舌と目で確かめに行くという若手が多いようです。自分の休みやお給料もそれに消えてしまうけれど、得るものはそれ以上に大きいのでしょう。

又、同じ飲食業界でも、分野が違えばそれぞれの裏技を教え合ったり、各々お料理の感想・評価などもどんどんしあっている若手などもいるようで頼もしい限りです。

逆に言うと、それくらいの情熱がないと、この過激な業界では生き残っていけないということなのでしょう。

筆者も、ろくな飲食店経営の経験もない方が飲食店を新規開店されるときには最初にやっていただく仕事があります。それは、競合店や関連するお店の食べ歩きです。許されるなら、そこに開店時の経費も多めにかけて頂きます。これは次の一言に尽きます。

『食べてみないと分からない。』

ということです。食べて、美味しい・まずいを自分で判断して、良い食材を見つける。そしてそれを活用してお店の『売り』を生み出す。

クライアントさんが料理人ではなく、経営のみをされる場合でも同じことをしていただきます。

そうした中から使える情報をつかみ取り、『売り』を作ってヒット商品に繋げる。飲食店で成功するには、これの繰り返しなのかも知れません。

おわりに・・・

いかがでしたでしょうか、今回の【あなたの店の料理・食材に『売り』を持つべき5つの理由】の記事は。

飲食店を成功させるのは、もちろんマネージメントやトレンドも大事ですが、何といっても飲食店の主役は『お料理』です。逆に言うと『お料理』を無視しては飲食店は成り立たないのです。

有名な京都のミシュラン三つ星料亭のご主人の言葉に、「料亭と言っても、所詮は飯屋ですからね。」という言葉があります。

これは一見卑下したようにも聞こえなくはないのですが、筆者には非常に力強い、食べることを止めたら生きていけない動物としての人間の力強さと、飾らないで食べることの根本を教えて貰っているような気がしてとても好きな言葉です。

たかが飯屋、されど飯屋という感じです。

激動の飲食業界を生き抜くだけではなく、繁盛・発展させていきたい。飲食業界にたずさわった方ならどなたでも思うことですが、これがなかなか難しい。

今読んでくださっているあなた自身もそう感じておられるのではないでしょうか?

今後いろいろな角度、カテゴリーとしては、トレンド(飲食業界全体のトレンド、ある業態のトレンド、など)・プロダクト(商品、メニュー)・マネージメント・マーケティング・ストラテジ(戦略・戦法)の5分野に書き込んでいく予定ですが、初回としてはやはり飲食業・料理とは切っても切れない食材の『売り』を独自に持って頂くことの大切さを記事にしました。

少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。

ーライター櫻子